社会人になったら絶対知っておきたい「労働基準法」
学生のうちに授業では教えてくれない労働基準法ですが、あなたはどのくらい知っていますか?
労働基準法(労基法)は、働く上ですべての労働者のために定められている労働条件の基準になる法律です。働くルールみたいなものですね。
私は社会人7年目となりますが、もっと早く知っておきたかったと思える労働基準法の内容がいくつかありました。
この記事では、最低限社会に出た後、知っておきたい労働基準法について5選に絞ってご紹介します。
36協定って何?
あなたは「36協定(さぶろく協定)」という言葉を聞いたことがありますか?
「36」というのが労働基準法の36条から来ている数字です。
労働基準法の中で、働く時間を1日8時間、1週40時間とすると法定労働時間が定められています。
これを超えて労働することを禁止されています。
ですが、働く先の会社や事業所が労働基準監督署に「労使協定」を結び、36協定の届出を提出している場合は法定労働時間を超えて残業として働くことが認められます。
※認められていますが、期間と上限時間があります。
⚪︎1週間で15時間
⚪︎2週間で27時間
⚪︎4週間で43時間
⚪︎1ヶ月で45時間
⚪︎2ヶ月で81時間
⚪︎3ヶ月で120時間
⚪︎1年間で360時間
上記を超えている場合は、注意が必要です。
このルールを労働基準法36条に記載されており、あなたが働いている現場が残業が多いのに36協定を結んでいないとなれば労働基準法違反となります。
もしあなたが月に45時間以上、年間360時間以上法定労働時間を超えて残業をしている状況でしたら、これって36協定どうなっているの?と疑うべきです。
労働基準法違反となっている可能性が高くなります。
残業代の未払い請求は3年まで
これは私の実際にあったことですが、いわゆるブラック企業と呼ばれる会社で働いており、朝3時30分から出社し、休憩も5分程度で21時頃に帰宅するというハードな生活をほぼ毎日していた時期がありました。
もちろん早出残業もなく、普通残業も深夜残業もついておりません。
サービス残業という完全に労働基準法違反の状況でした。
その会社はシフトがタイムカードでしたため、実労働時間を切ってはもらえませんでした。
私はその際、毎日出社時間と休憩時間、退社時間、上司からのパワハラと思える言動をすべてメモするようにしていました。
その頃の私は、労働基準法や労働基準監督署に訴えるという考えがありませんでした。
その会社は退職し、今の仕事では労働基準監督署に関わる機会がありましたため、その頃のことを話してみました。そこで衝撃的なことを耳にしました。
労基署職員:「それは残業の未払い請求ができますよ。いつ頃のことですか?」
私:「ちょうど3年ちょっと前です。」
労基署職員:「それは残念です。期限があり、請求できるのは3年までです。」
とてもショックでした。記事を読んでくださっているあなたには、同じ思いはしてほしくありません。
もし現在未払い分のサービス残業がありましたら、勇気を持ってきちんと労働基準監督署に相談し、未払い請求をするようにしましょう。
有給・介護休暇・子の看護休暇は時間単位での取得が可能
一定の要件を満たす労働者には、心身の疲労の回復やゆとりのある生活の実現のため、休んだ日にも賃金が支払われる有給休暇を与えることを労働基準法で定められています。
※一定の要件とは…
・6ヶ月以上継続勤務する
・所定勤務日数の8割以上出勤する
簡単に言いますと、入社後半年以上は働いて年間8割以上欠勤せずに働いた者には年次有給休暇を与えますよということです。
また、介護・看護休暇は入社後すぐに要介護者の家族がいて申請を受理された場合、または未就学児(小学生以下)の子供がいる場合には1人あたり年間5日間取得できます。
ですが、現状有給休暇の取得率が5割を下回っている現状です。
ここで知っておいていただきたいのが、有給の取得は年間5日間は取得するのが義務となりました。
あなたは1年に何回有給休暇を使えていますか?5日間は休みとして使えていますか?
また、義務化ではありませんが、働く先によっては年5日分のみ、1時間だけなど時間単位での有給休暇の取得が認められるようになりました。
あなたの職場では時間単位での取得は可能ですか?ぜひ確認してみてください。
1日の勤務の休憩時間
私は5分程度の休憩しか取れず、15時間以上働いていたことがあると前述しました。
そもそもこちらも労働基準法違反です。
労働基準法では、労働時間に応じて決められた休憩時間を労働者に与えなければならないと定められています。
以下の時間休めていなければ、上司または同僚の方に一度相談してみましょう。
①労働時間が6時間を超える場合→45分以上の休憩
②労働時間が8時間を超える場合→1時間以上の休憩
これが原則です。また、この休憩時間は労働者は自由に利用する権利があります。
この間も電話の対応をするなどは休憩としては認められません。
きちんと休憩を利用して、心身ともにゆとりを持って業務に取り組みましょう。
労働基準法を違反した場合の罰則とは
ところで、労働基準法の内容をいくつか挙げてきましたが、違反した場合どうなるのでしょうか?
もちろん罰則があります。労働基準法には、違反した場合の刑事罰の対象も法律として定められています。(第117条〜第120条)
労働者を雇っている雇主または経営者の方には労働基準監督署から指導が入り、最悪の場合罰金または刑事罰を受ける可能性があります。
この状況おかしいなと感じたらすぐに労働基準監督署に確認してみましょう。
まとめ
知っておくべき労働基準法の内容を5つ紹介しました。
①残業時間の上限は36協定で定められている。
②未払い残業は3年の間だったら請求が可能。
③年次有給休暇、介護・看護休暇は年間所得義務日数が決められており、職場によっては時間単位で取得できる。
④休憩時間は取得しなければいけない時間が決まっている。
⑤労働基準法を違反した場合、刑事罰が課される。
新入社員や実際に働いていても知らないことはたくさんあります。
現状違反となることを無意識で行なっている可能性もあります。
法律は働く労働者を守るためにあります。
ぜひ活用して、働きやすい環境づくりをしていきましょう。
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